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2013WC 堅守考攻“手塚監督の遺言”國學院大久我山

2014.01.30
堅守考攻「手塚監督の遺言」
國學院大久我山


写真・文 清水広美


日本一の高体連登録チーム数である、激戦地区・東京。
かつては全国大会でも複数の名門チームが上位に顔をそろえた。ちなみに、安城IH時のベスト4に東京3チームが入ったこともある。

しかし、近年は名将といわれた指導者たちが世代交代の影響もあり、ここ数年気を吐いていたのが唯一京北だけだった。
その京北が大分インターハイで優勝、WCは本来の出場枠に加えて3チームがWCに出場することになり、東京都予選決勝リーグは俄然ヒートアップした。


今年度東京で開催された地元国体でも、東京選抜が主力選手が負傷のアクシデントの中、トカチョフらがその穴を埋め、東もスーパーサブとして優勝に貢献、勢いをもたらしたといっていい。
結局、WC東京都予選では國學院大久我山が地元枠を確保、3年ぶり13回目の代表枠をものにした。



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堅守考攻を地で行った國學院久我山。洛南戦はゾーンが功を奏した



1回戦・高田商戦110-59 相手のターンオーバー23を誘い、ブレイクにつなげた。東(宏)21点、トカチョフ22点、17R。
2回戦・鳥取東戦76-49  東(宏)13点、9R、濱西15点、7R、トカチョフ13点、17R。 

そして、いよいよベスト8入りをかけて、山場の洛南戦となる。 
立ち上がりから10-0とリードを奪う久我山。応援の声援が後押しする。拮抗した展開となり逆転を許したが、ゾーンで流れを変え、持ち前のディフェンス力が功を奏し、まさに、チームモットーでもある“堅守考攻”を地でいった形だ。

3回戦・洛南66-58 東(宏)18点、7R、濱西15点、6R、4A、トカチョフ13点、15R、 
2005年の小野龍網(中央大~トヨタ~千葉ジェッツ)たち以来、久我山は8年ぶりにエリート8に進出だ。
奇しくも、この時敗れた相手が洛南だった。


「高校生の技術の基盤となる気持ちの部分で最初から押されっぱなしになった。入り方はよくなかったけれども、落ち着いてまた自分たちのやるべきことをできたので、前半の結末はよかった。
もう少し引き離したいところで逆になってしまった。一所懸命やっているんだけど、得点が伸びなかった。シュートが入らなかったことが一番の原因。
いつものシュートの軌道も違うし、入れようとして神経質になって逆に入らなかった」と、洛南・吉田コーチ。

「前半最初に相手の気迫に負けている感じ。侮っていたわけではなくて次の福大大濠とやっていこうと、気持ちの面で相手に負けて、勢いにやられたイメージ。ゾーンをされて、シュートタッチがチーム的によくなくて、序盤ははずしてもリバウンドを取っていたんですけど、後半それがなくて…。
最後の勝負所でみんなボールからシュートを打つのが怖くなる状態になって、いける所でもシュートに行かなかったり、気持ちが弱かった。自分も含めて精神的に強い選手ではなかった。

夏から3年がプレイタイムを伸ばしチーム的に試合に出る機会が増えて、良くなってきていて手応えも感じていた中で、力を出し切れていなかった」と、洛南キャプテン#4森井は唇を噛みしめた。



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リバウンドを全員で飛び込み、インターセプトから走る展開に持ち込んだ


片や、久我山は念願の勝利に喜びを爆発させた。トカチョフは大ジャンプ!

「(洛南戦は)最初から10-0で入って、途中からゾーンがきいて自分たちのリズムもよかった。
一番良かったのは、ベンチに戻った時に選手全員がプラスな言葉をかけあっていたこと。
リードされている場面もあったんですけど、そういう時に『まだ5点だ、大丈夫大丈夫!』と声がけをしていました。
必ずメインコートに行こうと意識を高めていたので、いい試合になりました」(#4東宏輝)


「試合に出てたメンバー一人ひとりが自分の役割を果たせたというのが、大きい。ベンチにいる選手だったり、OBの方だったり、応援してくれる父兄の方の力がこめられて勝てた結果だと思います。
自分の仕事は、スリーポイントシュートを何十本、何百本と打ってきたので、その仕事に徹するのはもちろんなんですけど、シックススマンで出てきて『あいつヤバイな』と思われるのが醍醐味。意識してやっています」(#5東克弥)

この東ツインズの父は、筑波大~三井生命で活躍した現在はbjリーグ取締役を務める東英樹氏。#7東暉(あきら)は従兄弟で、青森から久我山でバスケットをするために出てきた。
東兄弟は性格やプレイスタイルこそ異なるが
「いざという時には2人がシンクロして、阿吽(あうん)の呼吸を見せる」とチームメイトが賞賛する働きを見せた。


「洛南はほとんどがペイント内のシュートだったので、リバウンドをどう取るか、どうやったら守れるかを全員で考えてできた。オフェンスはお互いシュートが入らなかった展開だったんですけど、そこで速攻を多く出して簡単なシュートに持ち込めたことが要因です。
自分の役目は、いつもは2番でしたが、今日は3番が多かったので、ディフェンスリバウンドに常にからんで
まず確実にリバウンドを取ること。ディフェンスは、常に声を出してやること。オフェンスはシュートではなく、
ドライブからのキックアウトだったり、そういうプレイを意識していました」(#6濱西秀人)


「前半のでだしが良かった。1、2回戦はでだしがよくなくて、それを先生に指摘されていました。
その後、気が抜けたのかリラックスしてしまったのかわからないですけど、すぐ追いつかれて、得点もなかなか伸びず。
そこで自分たちも慌てずに一つひとつコツコツやった結果、相手のファウルが積み重なって、今まで練習してきたフリースローをしっかり2本決めることができたのがあまり点差が開かなかった要因の一つ。後半ゾーンをしいたんですが、練習の時はダメダメで(笑) 
正直、酒井先生からゾーンをやれと言われた時はちょっと不安でしたが、みんなの気持ちが一つになって機能したかもしれません。リバウンドから速攻につながって、久我山らしいロースコアの展開で勝てました。
前半は空回りして、2Q途中で応援の声が聞こえて自分自身もっと頑張れるなと思いました。相手が疲れてきた中、リバウンドも一生懸命行ったので、それが得点につながりました」(#8トカチョフ・サワ)



今年の國學院久我山は、新チーム結成時から見るたびに成長が見えたチームだった。ターニングポイントとなったのが地元開催の国体だ。

「国体の影響は大きかった。あの優勝で宏輝もサワも自信つけましたし、大きなきっかけになった」と酒井コーチも認める。大型プレイヤーはいないが、最後にチームの結束力で目標を達成した。

さらに、東(宏)が明かすのは、「みんなで最低エイトと話していました」
それが、前監督・手塚先生の遺言だったからだ。




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決して大きくないチームだが、インサイドはカバーディフェンスで勝負。ブロックショットも積極的に狙う


『この代で必ず全国ベスト8に』


さかのぼること、2年前。今の3年が入学する直前の2011年2月18日午後3時54分、
国学院大久我山の礎を築いた前監督・手塚政則氏が天に召された。
2月にはもう意識もなかったが、まだ話ができた状態の手塚監督と酒井コーチは1月にこんな会話をかわしていた。
すでにスポーツ推薦で今のメンバーの入学が決まっており、手塚先生は誰よりも彼らの活躍を楽しみしていた。

「亡くなった手塚先生の遺言で『この代で必ず全国ベスト8に』と言われました。
それを達成できたのが今回大きかったです。大会前には3年だけで手塚監督の墓参りもしてきました。
彼らの努力があってこそ。自分自身もプレッシャーに悩まされながらやってきました。
最低の約束を果たせたのが何よりの成果でした。

すべてがうまくいったと思いますが、それは運だけでなく、目に見えない力を感じます。
過去、石坂(中央大~松下)たちの代のWC準優勝があるので、それを超えたかった」
と、酒井コーチは大濠との試合後に胸のうちを明かした。



久我山ー大濠
メインコートに立ったのは2005年小野龍猛たちのWC以来。8年ぶりエリート8に。福大大濠戦


念願のメインコートは気持ちよかった、と口をそろえた久我山の面々。
しかし、久我山の快進撃はこの福岡大附大濠戦でストップした。

「駒沢では何回かメインでやったことはありましたが。1発目いきなりスリーポイントが入る気がして。ここだから自分がやろうとしてみたこと、大学につながるいい経験でした。

杉浦くんとのマッチアップはすごい楽しかった。中にくると思って頑張っていたんですけど、逆に逃げられた。
自分は先生からやれやれいわれていたので、確率は向こうのほうが上かもしれませんが、自分ができることをした。
オフェンスリバウンドに跳んで何回も自分たちの攻撃回数を増やしていたけど、久我山は最後の決めどころがなかった。
向こうも1回で決めるわけでなくセカンドショットが多かった。リバウンドに対する執着心がもう少し久我山にあったら。
そこだけが悔いが残る、もっと頑張るべきだった」と、語るトカチョフ。
しかし、決して顔は下を向いていなかった。


最後にようやく果たした故・手塚監督との約束。
それをさらに昇華させるのは、次なるステージだと久我山のメンバーは知っている。


久我山東4
福大大濠#4青木をマークする#4東(宏)



久我山4人
洛南戦後、勝利の笑顔。東ツインズ、トカチョフ、濱西。




東京3cap2
インカレでWC東京代表として紹介された京北・石原、八王子学園八王子・新号、國學院久我山・東(宏)の3キャプテン。
3チームともベスト8入りと見事な活躍を見せた



久我山ベンチ
メインコートに立った國學院久我山、酒井コーチをはじめベンチスタッフの士気も高まった。試合前のスタッフ紹介

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